天国なんて行きたくない きみがいないと始まらない
ー失楽園/女王蜂
ゴトウユキコ『天国』を購入する。
短編が4作品はいった短編集だが、とりあえず「2月14日の思い出」と「家庭教師」を読む。
「2月14日の思い出」は公開当初から好きすぎて、これを紙媒体で欲しいと思って買ったと言っても過言ではないので、読み返してハァ~と言ってしまった。全員見てくれ。
そして、この作品からの「家庭教師」は意地が悪い。
ゴトウユキコの書く歳の差が好きで(そもそも歳の差が好きなのだろうという意見は脇に置いておく)、『36度』でも「なれた手つきで ちゃんづけで」が一番好きだった。
(調べたら、いとうせいこうに「なれた手つきで ちゃんづけで」という曲があるらしい)。
ので、歳の差ではなく少年少女ものっぽい二作品はまだ残しているがきっと良いのだろう。また読んだら、感想を書いたり書かなかったりする。
「2月14日の思い出」は読んだかい?ネタバレを少し含む感想を書くよ。
やっぱり大人を好きな子供と、それに取り合わない大人という構図がかなり好きなのだと自覚した。
あまり良くないことをいうと、年上のことを本気で好きな若い子と、本気では取り合わない(つまり性的な関係をもって”あそぶ”)大人という構図も同様に好きだ。
前者が「2月14日の思い出」で、後者が「なれた手つきで ちゃんづけで」である。
憧れと恋愛感情と性欲がぐちゃぐちゃになった「好き」と、それを相手にしないオトナ。
なんだろうな!なんでこんなに良いんだろうな!!
私が、そういう「若い子」だからかもしれない。
「2月14日の思い出」も「なれた手つきで ちゃんづけで」もその恋愛から抜けて大人になった視点から回想されるオチなのも良い。
言葉を尽くせない、とりあえずみんな読んでくれ。。。
私は自分の性癖をまた新たに発見できてうれしい限りです。
『不思議の国のアリス』を読んだ。初めて読んだ。
実はこちらの感想を主に書こうと思っていたが、ゴトウユキコの感想を書きすぎた。
野田地図の『兎、波を走る』を先日観劇して、そこでのモチーフの一つがアリスだったため、当演劇を想起しつつ読む。
登場するキャラクターや場面に、なるほどあの場面はここのパロディだったのかなどと納得することができる。
特に納得感があったのは、言葉遊びが先行してその後に世界がついてくる仕組みで書かれた小説であることが、アナグラムを軸として世界を繋いでいく演劇の構成に繋がっているんだろうと思われたことだった。
内容から浮いた形で言葉だけで文脈を構成することはあっていい話だなと思っていたので、更に裏打ちされた感じだ。
古典を全く通ってきていないので、こういう教養は今からでも積極的に身につけて行きたい。
今後、アリスパロディの作品にであっても理解できるぞ、フンフン。
あまり眠くなくてだらだらと文章を書いてしまった。
ねる。